名盤作りの名人#2 VAN DYKE PARKS

fulmas2007-09-02


ヴァンダイク パークスは(以後VDPと略す)ミシシッピー州ハティスバーグでJ・サイモンの様に裕福な医者の息子として生まれた。彼の音楽的に抜群なセンスはどのようにして育まれたのか興味あるところだが、先ず彼のビートルズのサージャントペパー〜を超えたと言われたソロ アルバム「ソング サイクル」(1968年製作)が衝撃的だった!60年代後半は世の中サイケやハードロックの時代、ジャズもアヴァンギャルド、革新的だが暗いものが多かった様な気がする。ところがVDPの創り出す音楽は夢一杯!ロマンティックで明るいのだ!!VDPが先ず名を挙げたのが66年あのビーチボーイズのブライアン ウイルソンとの共作「スマイリー スマイル」だ!彼の作曲「英雄と悪漢」のシングルも売れ、サージャントペパー〜に並んだ!と称されたのだった。その後ワーナー ブラザースのレニー ワロンカーチームでランディー ニューマンと共にハーパーズ ビザールからライ クーダー迄プロデューサー、アレンジャー、サイドメンとして活躍しソロに至る訳だが、セカンド アルバム「ディスカヴァー アメリカ」も凄かった!ジャケットからして「ソング サイクル」のダサいお坊ちゃま風から一変!正に「トロピカル ダンディ」白の上下スーツに派手な帽子とサングラス、口髭をたくわえ、いきなりカリブの世界へ、このアルバムで初めてスティール ドラムを知った。思えば細野氏がハッピー エンド最後の頃から付き合いが始まったのは肯ける!VDPとライ クーダーとの付き合いも長い!ライもまたVDPの様に大安洋行の旅へ出て最後はキューバ迄、途中テックス メックスサウンドの時期にバンドに参加した事もあるが、ライの最新作「マイ ネイム イズ バディ」にもキーボードで参加、猫の旅の話だが、80年代にVDPは「ジャンプ」というウサギの旅の話を発表している!ブライアンとの話に戻そう、「スマイリー スマイル」は実はブライアンがビートルズのサージャントペパー〜に音楽的に先を越されたと思い、対抗して作ったアルバム「スマイル」の代理品だったのだ。レコード会社との対立、メンバーとの断絶、不幸にも病に伏したブライアンは再起不能と言われたが、40年を経て「スマイル」は去年完成し世界中を狂喜乱舞させた。そしてその彼をしっかりと支えたのがヴァン ダイク パークスだったのだ!1995年発表の二人の蜜月アルバム「オレンジ クレイト アート」も名盤で、二人の熟成された感性がブレンドされた、まるで最高級酒の味わいである!!ヴァン ダイク パークスはまだまだやってくれそうな気がする。