酔生夢死・タランティーノの場合は?

fulmas2010-09-02


長い間ベスト1ロード・ムーヴィーはデニス・ホッパーの「イージー・ライダー」だったがその後W・ベンダースやD・リンチに移り近年はタランティーノになっている。
最近「イングロリアス・バスターズ」を観てまた感動して、「キル・ビル」をまた見直した、彼の名を有名にした「レザボア・ドッグス」で日本の監督・深作欣二に影響された事を暴露し、「キル・ビル」の序章で「深作に捧げる」と記してあった。
70年代初期は洋楽とニュー・シネマに嵌っていたので和物音痴であったが、タランティーノのお陰で「仁義なき戦い」を観て興奮したのはわりと最近の事だ、そして更に梶芽衣子の存在だ!タランティーノは学生の頃芽衣子ファンで貸ヴィデオ屋でバイトして全部観たらしい?!実は最近初めて「修羅雪姫」を観た、監督は藤田敏八で修羅雪に腰から下をぶった切られる悪役の女は深作の実妻の中原早苗、続編では原田芳雄が良い役で出ている。
1973年といえば鈴木清順監督(荒戸源次郎プロデュース)「ツィゴイネルワイゼン」の頃で常連が美術の担当をしていて勧められ観てドップリ嵌ったが、原田はその映画の主役で敏八も出ていた。
今の若者の間でも密かなブームになっているらしいが、私も梶の魅力にすっかり嵌り、演歌嫌いだったのに車で自作のベスト盤を聴いている(キルビルのサントラにナンシー・シナトラの「バン・バン」が入っていて、それが「オリジナルのシェールよりピッタリ来るのはさすがだなァ!」と思いナンシーのベストも作った)ちあき・なおみや八代亜紀に行くのも時間の問題かァ!これがほんとの関連燃焼なんてネ!
キル・ビル」の中で「修羅雪姫」の鹿鳴館に似た料亭での残酷シーンは圧巻だが女やくざ・ボスとの最後の雪の中での対決はまたお見事で当然梶の「修羅の花」が使われている。

元人殺し請負人の主人公がお腹に子を宿しながら新しい恋人と結婚式を迎える、そのリハ中に元恋人(ボスのビル)に頭をぶち抜かれ、4年間眠りに着き目覚めた後4人の手下を一人づつ始末、最後にビルと対決する、それがチャプター毎に分かれしかも2003&4と二部に別れているのだが、息もつかせず兎に角楽しめる最高のロード・ムーヴィーだ!
タランティーノは結構ソウルマニアの様だが(ジャッキー・ブラウンのサントラ等)チャック・ベリーパルプ・フィクション)等のロックン・ロールやジョニー・キャッシュ等のカントリー、クインシー・ジョーンズからオルタナ・カントリーと幅広くしかも癖のある、そして味わい深い選曲をする、レザボアではニルソンの「ココナッツ・・・」がつかわれた、そしてやっぱりかというエンニオ・モリコーネのマカロニ・ウエスタン、墓場や荒涼とした荒野のシーンには欠かせない、そういえばハタチの頃「荒野の用心棒」に嵌って、暫くは前作観まくった覚えがある、当然サントラ・コチトラ・当たり前でたまに聴いている。
最近作の「イングロリアス・・・」も昔のサントラを結構使っていた。

キル・ビル」Part2は今は亡きデヴィッド・キャラダイン(ビル役)が結構出番が多く、また老け役の悪役でかなりかっこいいのだが(セリフがまた良い)、忘れられないのがマイケル・パークスだ昔TVのロード・ムーヴィーで「さすらいのライダー・ブロンソン」てのがあって歌がまた良くて、出ていたLPを全部買い占めたくらいだ!
そのマイケルがまた良い味のじじいになっていてチョイ役だがグッと来た!!
他にも千葉真一や国村、栗山等配役センスが良い、
しかし日本のヤクザ映画は最後が美しく、哀しく散る(?)のに対してやはりアメリカンは人の温かみ、この場合は母娘(子を寝かしつける時のゾンビーズでは無く、マルコムの「シーズ・ノット・ゼア」にはビックリ!)のハッピー・エンドで終わる、宗教観の違いですかネ!!!

本日(9・8)「パルプ・フィクション」久し振りに観た!いきなりのティム・ロスと「ミザルー」の組み合わせは凄すぎる!イントロのシーンの続きが最後にあってこれもサプライズ!監督タランティーノの演技も良いし、H・カイデル(レザボア・ドッグス主役)J.トラボルタ、B・ウイルス最高だァ!K・ウォーケンはベトナム絡みでまたGood!キル・ビルの主役UMAちゃんはやはり光ってる、チャック・ベリーの「セラ・ヴィー」でツイストイケテル!!P.バラカンの好きなアル・グリーンの曲やクール&ザ・ギャングの名ソウル、時にカントリー&ロックン・ロールと申し分無し、聖書絡みの洒落た会話、適度なえげつなさ、正にファッキン・ロード・ムーヴィーである!!!