名盤作りの名人#3 AHMET ERTEGUN

fulmas2007-10-27

名門アトランティック レコードを創り上げ守り抜いた社長アーメットは愛すべき男だった!(1923−2006)彼を支えたくさんの名盤を世に送り出したトム ダウド(クラプトンのいとしのレイラ、オールマンブラザース バンドのフィルモア ライヴ!、ロッドのアトランティック クロッシング等)ジェリー ウェクスラー(リズム アンド ブルースという言葉を世に広め、あのスタックス レコードを作った男ーオーティス レディング、ウイルソン ピケット、アレサ フランクリン等)アリフ マーディン(アベレージ ホワイト バンドで有名)アーメットを始め皆ジャズとブルースをこよなく愛し、常に前向きに良い音楽を作り続けた素晴らしい人達だ。アーメットはエリントンやキャブ キャロウエイに10歳の頃夢中になり、大学時代にアトランティックを立ち上げ(最初は3人からスタート!)L.ベイカー、J.ターナー等黒人音楽で稼いだ後1952年あのレイ チャールズと契約、「What’d I Say」がミリオンセラー、しかしレイの移籍によりスター不在となる。あの「ロックンロール」の言葉の生みの親であるDJアラン フリードに金を届けて曲をかけてもらっていた!ドゥーワップのコースターズに救われ、J.リーバー&M.ストーラーの書いた曲が売れに売れた!(B.E・キング、ドリフターズ等)60年代助手のフィル スペクターがウォール サウンドで活躍、ボビー ダーリンの「スプリッシュ スプラッシュ」、「マック ザ ナイフ」が売れR&Bから脱却を始める。W.ピケットツアーで渡英した際クラプトン(クリーム)J.ペイジ(ニュー ヤードバーズ)のギターにしびれ契約を結びクリーム、ツェッペリンを手掛ける。アメリカ勢ではバッファロー スプリングフィールドやC S N&Yなどを手掛けるがJ.ウェクスラーは黒人のR&Bにこだわり退社、スタックスも自滅の道へ、素晴らしいレーベルもスターの死や移籍問題で安定しないのが世の常と考えアーメットもワーナーに売却し傘下で更にレコード作りに励む(現場主義である。)ローリング ストーンズレーベル立ち上げに力を貸しあのジッパー付きA.ウォホールデザインの「スティッキー フィンガーズ」等を手掛ける。80年代に入ってからもフィル コリンズ(ジェネシスからの脱却を勧め大スターに仕立てた)、フォリナー等次から次へと新しい物を取り入れ創り上げた。しかし彼の根底にあるものは黒人のブルースなのだ。クリーブランドに「ロックの殿堂」を作り毎年ビッグ イヴェントを開き、2004年には自分に影響を与えてくれた兄に捧げる「ジャズの殿堂」も作った。老人という言葉を嫌い燃え尽きた彼はストーンズの楽屋で昨年2006年倒れた(83歳であった!)。彼の言葉「レコードを作る時大事な事は最初に完成品を作る事だ。」が心に残る!!  アーメットとトムのDVDが発売されている。