僕を忘れないで!

fulmas2011-04-21

所謂「一発屋」と言うか?「縁の下の力持ち」と言うか?とても素敵で魅力ある人なのに目立たない、又は一寸注目されてすぐに忘れ去られてしまうミュージシャン、そしてアルバム、幻の名盤、思い出の音盤、知る人ぞ知る、そんなレコードを紹介して行きます!
HURRICANE SMITH : Don’t Let It Die
邦題は「太陽を消さないで」昔の邦題は訳の解らないのが多かった、例えば「破壊された頭脳」とか原題と全く関係ないものがありました。
ノーマン・ハリケーン・スミスはノース・ロンドン生まれ、電子工学を学んだ後エンジニア/プロデューサーを目指します、ラッキーにもビートルズの「ラバー・ソウル」のサウンド・エンジニアの仕事にありつき、その後ピンク・フロイドのプロデューサーになります、作詞・作曲からあらゆる楽器に精通、多彩な音楽家でもありました、歌手デビューは1971年(ドノヴァン開店時新譜で買いました!)アルバム最後の曲「Don’t・Let・It・Die」は全英チャート2位まで記録、しかしライヴはやらずレコード制作もスロー・ペースな為長続きはしませんでした、しかしこのアルバムはヴァン・ダイクやランディ・ニューマン等所謂バーバンク・ノスタルジーサウンドとはまた違った、ちょっとギルバート・オサリバンにも似た暖かいオールド・タイミーな雰囲気を醸し出しています。
A面6曲目の「未完成の無声映画主題歌」等は沢山の楽器とアイデアが詰め込まれ、兎に角楽しく、しわがれ声と懐かしいサウンドに心が安らぎ、たまに思い出してはまた聴いてしまうのです。

JOHN・BALDRY : Everything・Stops・For・Tea
前にも述べたがアメリカで、特に50年代シカゴ辺りで持て囃されたブルースが終わりを告げ、それをイギリスで蘇えらせたのがスキッフル・ブーム(アメリカン・トラディショナル・ミュージック)だ、アレクシス・コーナー、グラハム・ボンド、ジョン・メイオール等が有名だがここに不運な男ジョン・バルドリーがいる、58年初のグループ「フーチー・クーチー・メン」を結成、60年にミック・ジャガーブライアン・ジョーンズ、ポール・ジョーンズが入り更にブルース色を濃くソウルフルにする為、アレクシスの「ブルース・インコーポレイテッド」に参加、しかし3ヶ月で辞めシリル・デイヴィスの「オールスターズ」に参加、64年シリルの死により解散、再び「フーチー・クーチー・メン」を結成、今度はあのロッド・ステュアートとエルトン・ジョンをヴォーカリストに起用する、デヴュー・アルバムに漕ぎ付けるも65年解散、ロッドの他にブライアン・オーガー、ジュリー・ドリスコール等と「スティーム・パケット」を結成、しかし1年程で解散エルトン等と「ブルーソロジー」結成、しかしエルトンが旅立ってしまい解散、68年にソロ・シンガーとしてスタート、苦節10年、71年になってようやく陽の目を見る事になる、それも皮肉な事に有名になったロッドとエルトンに支えられてだ、しかし振り返って見ればジョンの歴史は輝かしいブリティッシュ・ロックの歩み、その中心人物なのだ!邦題「ティータイム」は楽しげにオールド・タイミーな雰囲気やスワンプ風ロック等旧友ロッドとエルトンを交えて、リラックスしたのびのび感一杯のご機嫌なアルバムに仕上がっている。 メデタシ・メデタシ!!